Staff Interview
スタッフインタビュー
歯科衛生士 冨田 幸子
「気軽に来てもらえる歯医者さん」を目指す冨田さん。
「患者さんが何を入れたいのか?」の相談にのって「何をするといくら掛るか?」ズバリ!答えられる「トリートメントコーディネーター」という資格も持っています。
歯もココロもスッキリして、笑顔になって帰っていただくためのノウハウをいっぱい持っています。
その秘伝のレシピをお伺いしました!
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どうして衛生士さんになったのですか?
私の母が歯科医院に小学生の頃から勤めていたので、歯科医院の中に入って、細かいものを作るのを見ていました。
「面白そう」「楽しそう」というイメージがあったんです。
院内技工で、先生が詰め物を鋳造したり流し込んだりしているのを見て、面白がったのです。
手芸と同じ感覚ですね。
私が中学高校に通う間、ずっと母は、同じ歯医者に勤めてました。
母の勧めと、歯科衛生士の学校が歩いていける範囲にあったこと、その学校で歯科衛生士と養護教諭の2つの資格が取れること、という一石三鳥的なこともあり(笑)、その進路を選びました。 -
衛生士さんのお仕事について教えて下さい
主な三本柱ですが、1つ目は先生の助手、2つ目はスケーリング、つまり歯石を取ること、
3つ目はTBI。Tooth Blushing Instruction(トゥース・ブラッシング・インストラクション) の略で、歯みがき指導のことです。大事なことですね。 -
予防歯科って、どんなことをするんですか?
予防歯科は、先ほど言ったスケーリング、TBIなどです。
まさに歯科衛生士の仕事そのものですね。 -
何ヶ月に一回に来院が理想なんですか?またその理由を教えて下さい。
個人の都合によってです。
お年を召した方、60歳以上の方で、自分で(歯磨きを上手く)出来ない方は、やってくれるとありがたいと1ヶ月に一回いらっしゃいますし、前に虫歯の治療が大変で、治療に通うのはヤダという方が、3ヶ月~半年に一回という方もいます。
歯周病で、歯がグラグラしていて、1本2本歯を失ってしまっている方、もうこれ以上歯の抜ける思いをしたくない、また抜けるのかと不安な毎日を送りたくない方もまめにいらっしゃいます。 -
目的によって周期が違う?
「◯◯さんの口腔内だったら、△か月に一回がいいですね」という提案をします。
本当はもっと来たほうがいいと思う人もいますが、介護とか仕事とか子育てとか、いろいろ背景を考えると、強制はできません。 -
医院さんによっては「何ヶ月に一回来て下さい」と言われて、それがプレッシャーになるのですが。
そうですね、そうですね。わかります。
虫歯ができたから、治療に行きたい。だけど、何回もハガキが来ているのに歯医者さんに行ってない。そうすると、その歯医者さんに行きづらくなりますよね。だから他の歯医者に行ってしまう。初診で他の歯医者さんに行く方が気が楽ですよね。
そんな気兼ねをしなくて済むように「うちはこうしてますから」という押し付けはしていません。
とにかく、「気軽に来てもらえる歯医者」にしたいんですね。「あそこの歯医者に勤めている冨田さんに見てほしい」と言ってもらえたら、嬉しいです。
緊張して開けられなかった口が、気兼ねなく緊張せずに開けられる。あの人の前なら、こんなに汚い口でも開けられる!と思えるようになってほしい。
診察台に乗っただけで緊張される方がいらっしゃいます。乗った瞬間に泣いてしまう方がいます。イスに乗るということがトラウマになっている。小さい時は、そんな思いをしたけど、今は安心して、口を開けられるようになった。イメージを変えるというのもおこがましいけど、そうなれると嬉しいです。 -
予防歯科ってどういう器械を使うんですか?
1つ目は、超音波振動を与えて、水を出しながら、歯石を取る機械です。
2つ目は、スケーラー、歯石を引っかくやつですね。いろんな太さがあります。
3つ目は、プローブ。歯周ポケットの深さを測るものです。それも患者さんにお見せします。
誰しも、何を使って何をされているかを知りたいんです。iPadで動画を見せて、ポケットを測っている動画があるんですね。「この動画に出てくるこれを使ってやるんですよ~」と説明します。
誰だって、自分の知らないもので触れられるというのは恐怖なんです。
歯医者に限らず、自分の知らない知識や道具に対してそう思うのです。ちょっとチクチクする理由が、分かっているだけでも全然違うと思います。 -
愚問ですが、エプロンや、コップ、雑誌などのチョイスは、どなたが行うんですか?
院長先生が、選びます。私も意見は言いますよ。
お子さんにはバーバパパとか、かわいいキャラクターが入ったものなどを使います。 -
どんな年齢層の患者さんが来院されますか?
小さいお子さんから80過ぎのおじいちゃん、おばあちゃんもいらっしゃいます。
地域柄、工場が多いので、お昼休みに来たり、帰りに寄られたりということも多いです。主婦の方も来ますし、お子さんも来ます。
バリアフリーなので、車椅子の方、お子さん連れの方はベビーカーもOKです。お母さんの隣にベビーカーを置いて診療もできます。 -
靴を脱がないで大丈夫なのは助かりますね。
衛生士の手が空いていれば、お子さんの面倒も見ます。ただ、歩き回って触ると危ないものも医院内にはあるので、その点はご承知おきください。
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子供って、どれくらいから来ていいんですか?2本とか3本でも、いいんでしょうか?
歯が生え始めたら、いつでもどうぞいらしてください。
生まれたての状態は、菌は口の中にありません。ですので、お子さんの歯を見るというよりも、これからどうしたらいいか?というお母さんの悩みを聞いてあげる事のほうが大事ですね。
妊娠中の方にぜひ来ていただきたいです。
妊娠中にキシリトールを取ると、子供の歯が強くなるという最近の研究結果もあります。 もちろん、実際に歯が生えてくるのは生後ですが、その歯の元が作られているのはお母さんのお腹にいる時ですよね。 芽の資質を強くするので、お母さんがキシリトールを摂取することが有用なのです。
「ゼロ歳から始める虫歯予防」という考え方もあります。
また、歯の磨き方の指導というと、お母さんが「ちゃんと磨けてないじゃないですか!」って怒られちゃう的なイメージがあると思うんですが、そういうことはありませんよ。
それよりも「お子さんの歯を守るためにどうしたら良いか?」を知ることが大事です。実家に預けた間に、おじいちゃおばあちゃんが、いっぱい甘いもの食べさせていたら意味がない。食生活も大事なんです。小さい頃から甘い好きにしない、泣いたり言うことを聞かないときに甘いものでごまかす習慣をつけない、ということも大事です。 -
お母さんの啓蒙ですね。
口移しが良くないことは皆さんご存知ですよね。「口移しなんかしてないですよ」っておっしゃるんですが、無意識に、やっているんです。
どういうことかというと、お子さんに食事をあげるときに、どうしていますか?自分が使った箸をおいて、お子さんに上げるときに別の箸をつかって食べさせてますか? ファミリーレストランで見ていると、そこまでしているお母さんは、なかなかいません。
「口移し」って単語だから、ついつい、箸くらいいいだろうと思ってしまうのですが。
歯周病菌のいっぱい付いているおじいちゃんおばあちゃんの箸、スプーンを共用してたりしませんか?
今は同居されているおうちは少ないと思います。だけど、時折、自分の都合で実家や旦那さんのご実家に子どもを預けた時に「あれやめて!これやめて」と言えないじゃないですか? おじいちゃんおばあちゃんが、お母さんに内緒で飴あげる、アイスあげる、ということもあると思います。 お姑さんとの関係もあるから、そこを上手く話すことも大事なんですね。
いきなり「甘いものあげないでください」なんて言えないですよね。「ダメ」って言っては、だめなんですね。
「歯医者さんから、こういう風に教えられて~菌が増えて大変らしいですよ~」みたいな感じでと衛生士がクッションになって(笑)。
伝え方まで、お知らせします。「理解してもらう方法」も、コッソリお教えします。(笑)
精神的なケア、心のケアを、おせっかいに思う人もいるかも知れなけれど、お話を聞きながら求めている人、求めていない人の判断もしたいと思います。 -
歯磨きしているのに虫歯になるって人もいますが、どうしてでしょう?
ひとりひとりの口腔内状況は違いますよね。「知る」ということから始めます。
たとえば、無意識に炭酸飲料を頻繁に飲んでいる人がいます。でも「俺は甘いもの食べてない」って言うんです。でも歯が溶けているんです、炭酸飲料の飲み過ぎで。
また、飲食業の仕事をしている方は、しょっちゅう味見をしているので、口の中がキレイになるタイミングがないんですね。ですので、虫歯になるリスクは高いです。口の中を見れば、大体の仕事が分かります。
この人にとっては、この知識は、必要な知識かどうか?
また、自分のことを話したい人もいるし、話したくない人もいるので、そこは気を遣いながら話を進めます。でも、話をしたことで、何十年も歯周病で悩んでいた方が、ここにきて良かったといってくれた方もこちらは当たり前と思っていたことを、患者さんが当たり前と思っていないことも多々あります。
「お饅頭食べたら磨きますか?」って聞かれましたが、「それは磨きますよ」と答えました。食事をしたときにだけ磨くのではなく、間食後も磨くのが理想です。
でもそれぞれ事情がありますから、「一人ひとりの背景に合わせた提案」をしています。 -
予防歯科の啓蒙については?
説明だと、患者さんが話をする余地がなくて帰られてしまうので、「どういうことがお困りごとですか?」と質問をします。患者さんに話をしてもらうことが大事で、なるべく時間の許す限り話してもらう。
そうすると、次に「どんな歯ブラシがいいんですか?」とかいろいろな質問が飛び出す。こうなったらシメたもんです。(笑)
一回や二回のお話じゃ、分からないんですよね。これは、30年くらい衛生士やってきているから言えるんだと思います。試行錯誤してやってきました。
歯の話に関係ない、お姑さんとの関わり方の話になっちゃうこともあるんですね。(笑)時間の限りもあるんですが、また次回話をしましょうね~みたいな。
一方的にこちらから話すのではなく、ご自分が話したいことを話して「スッキリした!」という気持ちになって帰っていただきたい。
「ココに来てよかった!」と患者さんが喜んで帰る、笑顔を見れたらうれしいです。 -
患者さんへのメッセージお願いします
「こんなこと聞いたらいけない」とか、そんなこと一つもありません。気軽に、とにかく来ていただきたい。何でも話せる歯医者です。
指導する側は、どうしても上から目線になってしまうんです。「教えてる、与えている」というイメージをなるべく持ってもらいたくないんですよ。私も同じ立場なんですよって思っています。
こないだも看護師さんが患者さんとしていらっしゃいました。向こうからもいい情報をいただける、こちらもいい情報を提供できる情報交換の場所でもあったりする。
情報を与えるだけでなく、いろいろ教えてもらいたいと思っています。患者さんから教えていたきたいこと、いっぱいあります。 -
敷居が低くなりました。ありがとうございました!
良かったです。私は「ホワイトニングコーディネーター」という資格ももってますが、「トリートメントコーディネーター」という資格も持っています。別名「クリニカルコーディネーター」とも言うのですが、どんな資格かというと、「患者さんが何を入れたいのか、どれくらい掛るのかの相談できるコーディネーター」という資格です。
「何をするといくら掛るか?」は、一番聞きたいことだと思うんですよね。診察台に載ったら聞けないじゃないですか。
「保険外はこれ、保険だとこれです」て先生に言われてたら、それしかないって思うんでしょうけど他に、こういうのがあって、メリットデメリット、金額までお伝えできるのが「トリートメントコーディネーター」の仕事です。
白くはしたい、でも金額は出せないって方もいらっしゃるので、その方にはそういうものを提案できます。いくらでもお金出すっても人もいます。いや、銀歯でもいいですって人もいます。 -
相談が出来る方がいる歯医者さんなんですね。
先生だと聞けないんですよね。逆の方もいますよ。先生には話すのに、あたしたちには話さない。(笑)
要は、相性の合う人が、医院にいればいいんですね。誰でも良いので、いろいろ話せる人を医院の中で見つけてください。