午前診療

午後診療

9:30~13:00

14:30~19:30

無痛治療

歯科麻酔

多くの患者さんは「歯の治療は嫌なもの」というイメージをお持ちかもしれません。
それは歯科治療が痛みを伴うものであり、消毒液などの臭いで不快な思いをするからなのでしょう。
けれども、患者さんができる限り快適に、歯科治療を受けられるよう、歯医者さんも日々思い悩んでいるのです。
例えば歯科麻酔というのは「患者さんの痛みを軽くしたい」という強い思いから開発されたものと言えます。
実は、この歯科麻酔には、いくつか種類があるのをご存知でしょうか?

表面麻酔

まず、歯医者さんでよく使用される麻酔薬、表面麻酔というものがあります。これは文字通り、歯茎の表面にかける麻酔です。
ですから、針を歯茎に突き刺すことはせず、歯茎に塗りつけて薬剤を作用させます。その分、麻酔の効果は薄いのですが、特に問題はありません。
なぜなら、この表面麻酔とは、この後に行う麻酔の痛みを和らげるために行うものだからです。
ですので、表面麻酔というのは、患者さんの麻酔針による痛みを少しでも抑える目的で処置されるものと考えてください。
では、表面麻酔とは、実際にはどのように施されるものなのでしょうか。
先ほど、歯茎に塗りつけると言いましたが、具体的にはガーゼやコットンなどに、麻酔薬を染み込ませて、歯茎に接触させます。
そうすることで、歯茎の神経が緩やかに麻痺していくのです。
ちなみに当院では、高血圧症や心臓疾患のや痛みに敏感なお子さんに対しても、表面麻酔を使用しています。

浸潤麻酔

浸潤麻酔とは、歯医者さんで使用される最もポピュラーな麻酔です。一般的な虫歯治療で施されるのが、この浸潤麻酔です。
細い注射針を歯茎に刺して、麻酔薬を投与します。
この時の痛みが嫌いな方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
何しろ、注射針を歯茎に刺すのですから、恐怖心も相まって、痛みも過剰に感じてしまうものです。
この痛みを緩和するために、多くのケースで事前に表面麻酔が施されます。
また、麻酔薬の温度管理を適切に行うことで、患者さんが感じる痛みを低減させることも可能です。
その他、針のない注射器を使用することなどを通じて、患者さんの痛みができるだけ小さくなるように努力しています。

伝達麻酔

下の顎の奥歯というのは、もともと麻酔薬が効きにくい性質があります。
ですので、普通に浸潤麻酔を投与しただけでは、麻酔薬が作用しないことが多々あるのです。そこで歯医者さんは、伝達麻酔を使用することがあります。
伝達麻酔というのは、麻酔を効かせたい奥歯の歯茎そのものではなく、少し離れた所に麻酔薬を投与します。
具体的には、奥歯に走っている神経の上流、つまり脳に近い部分に麻酔薬を作用させます。
そうすると、奥歯や舌、それから唇といった下流に存在する神経にまで麻酔の効果が現れてきます。こうして麻酔の効果を上流から下流に伝達させるため、
伝達麻酔と言うのです。

局所麻酔薬

多くの局所麻酔薬には麻酔効果と安全性を高めるためにアドレナリンという物質が含まれていますが、高血圧や心臓疾患のある患者さんにアドレナリン入り麻酔薬を
使用すると、血圧上昇や動悸といった症状が現れることがあります。これらの症状は、ほとんどの場合安静にしていれば治まりますが、アドレナリンを含まない麻酔薬
も開発されていますので心当たりがある方は治療の前に歯科医師にお伝えください。
また現在用いられている局所麻酔薬は安全性が高くアレルギー反応を起こすことは極めてまれです。麻酔注射の後に気分が悪くなった場合、原因の多くは過剰な緊張や
不安がもたらす精神的反応であることがわかっています。
このような経験をお持ちの患者さんには次に述べる精神鎮静法が大いに効果を発揮します。


笑気鎮静法

笑気ガスとは

笑気鎮静法では、笑気麻酔というガスが使用されます。
このガスは、亜酸化窒素と酸素によって構成されていますので、きちんと濃度が管理されていれば、体に害はあれいません。
基本的に、歯医者さんで使用される笑気ガスは、亜酸化窒素の濃度が30%以下になっていますので、まず安全だと言えます。

歯科治療への恐怖を和らげてくれる
笑気ガスは、少し甘い香りがします。
また、鼻マスクから吸引しますので、とてもスムーズに体に取り込むことができます。
その結果、5分程度で心も体もリラックスした状態になるのです。
ですので、歯医者さんの治療が怖かったり、じっとしていられない小さなお子さん、それから高齢者の方々には、この笑気鎮静法がお勧めであると言えます。
笑気が効いている間は、少し頭がぼんやりしますが、治療が終わり、鼻マスクを外してしまえば、すぐに元の状態に戻れます。


針のない注射器

無針注射器

歯科治療を嫌いになる主な理由に、麻酔針を刺す時の痛みというものがあります。
細くて鋭い注射針を、お口の中の歯茎に直接刺すのですから、敏感な人にとっては耐えがたい痛いと言えます。
けれども、この麻酔針の痛みを取り除いてくれる注射器があるのをご存知ですか?
これを無針注射器と言います。

針がないのにどうして効くのか?

それではなぜ、無針注射器には針がないにも関わらず、歯茎に麻酔薬を投与できるのでしょうか。
その仕組みは次の通りです。
まず、無針注射器はコードを接続して、電気を流すようなことはしません。
注射を打つ時の駆動力は、本体に内蔵されているスプリングになります。
このスプリングの反発力によって、麻酔薬を瞬時に歯茎の内部まで飛ばします。
その深さは、およそ1センチ程度です。
麻酔薬の効果を発揮させるには、この程度の深度でも十分と言えます。

針を刺さないことのメリット

歯茎に針を刺さないというこは、まず痛みを感じることがありません。
これは歯科治療における最大のメリットと言えますね。
また、針を刺す注射器の場合は、歯茎に傷をつけることとなります。
すると、お口の中の衛生状態が悪かったり、患者さんの免疫力が下がっていたりすると、治療後に細菌感染を起こすことがあります。
無針注射器では、こうした合併症を予防できるというメリットもあるのです。